君が嫌いだ
君に出会わなかった人生を想像して
何かを忘れ探すことさえできず
ずっと遠くの空を見上げ続ける
そんな人生があったかもしれないと
思うだけで息が苦しい
だから君が嫌いだ
走っても追いつけない君が嫌いだ
雨にまぎれて涙流す
辛い時は丘まで息を切らして走っていく君
僕より高い枝に手を伸ばす
まだ青い実を齧って笑う
暖かな微睡みに微笑む君が強い風に立ち向かう君が
嫌いだ
いつか君が先に死ぬかもしれないといつか失うかもしれないと世界が壊れるより恐ろしい
そんな心にさせる君が
とてもとても大好きで嫌いなんだ
だから僕に微笑まないでいい
髪を揺らしながら振り返らなくていい
僕を愛さなくてもいいから
いつまでもいつまでも
君のままでいて
僕が嫌いな君のままで