僕が君に惹かれたのは
清浄な魂だからではなくて
陽の光に揺れる細い髪
振り返る時の睫毛の影
微睡む唇の赤
追いつけないほど早く走る足
遠くから僕を呼ぶ声
小川の小さな魚を掴む手
おやすみの言葉
ぼんやりと窓の外を見る横顔
怒った表情
めったに見せない涙が伝う顎
草の上に伸ばした手足
摘んだ薔薇をふざけて食べる口元
眠った僕の鼻先をつまむ指
優しい子守唄
転んで擦りむいた膝の赤い血
見惚れる僕が映っている青い瞳
それ全部
全部が君
君だから好き
君のいのち
が
好きだよ