走らないでいることなどできなかった
立ち止まりふり返ることなどしなかった
走って走り続けた
喉が焼け汗で視界がぶれる
自分の荒れた呼吸と足音しか聞こえない
いつから走り続けているのかわからない
到着点がどこかもわからない
走らなければ死んでしまう
進まなければ倒れてしまう
あばらが軋む
心臓がせりあがってくる
倒れたいと思っても足が動く
日が沈み夜が明けても走り続ける
走り続ければ多分太陽に手が届く
私自身がひとつの燃える太陽になる
だから走る
ふり返りはしない
私は走ることで存在し
走ることで近づく
其処がそれが何かわからなくとも