私は昔からオスカルとアンドレには恋愛以上というか、恋愛以外の何かがあると思ってたんですが、ちょっとわかった気がします。
それは信頼です。この人の生き方、言動、人生、そういったものを全面的に信頼している。二人とも基本的に利他の人なので、自分以外の誰かのために行動する。その根本の人間力を、お互いが信頼しているのではないかと。
二人の間にたとえ恋愛感情がなかったとしても、お互いが「この人は人間的に素晴らしく絶対的に信頼できる」そう信じられる関係だった。だからこそ何があっても二人は離れなかったし、対等な関係だったのだと思います。
旧アニで誤解されがちな”従う”という台詞ですが、彼らの間に上下や支配被支配はありません。私があなたを、あなたが私を尊重すると信頼しあっているが故に、あなたの示す道に「従う」それは共に道を歩むことなんです。
恋愛は常に揺らぐものです。どちらがより愛しているか、気持ちは変わらないのか、愛は続くのか。常に揺れている。しかし彼らの間にはそれ以上のもの「信頼」があった。だから揺るぎない。
激動の時代を生きた彼ら、アラン達やマリーフェルゼンは、皆オスカルをアンドレを信頼していたでしょう。激しい時代だったからこそ、信頼は大切なものでした。信じる人、信じる人が示す道。そういったものがなければ生きられなかったのだから。
革命時代のフランスも70年代の学生たちも、信じるに足る人はいるか?信じられる道はあるか?それが生きるために必要なことでした。だからベルばらはそのような時代に生まれたのだと思います。