静かな日

影が通り過ぎたと思った
横たわる顔の上に 一瞬
見上げると太陽が真上にあって
鳥が一羽はばたいていた
影は鳥が太陽を瞬間遮った跡だった

あの鳥を見ていた

撃たれて倒れたときも
切り取られた空しか見えないこの路地裏に横たえられてからも

空ではなく鳥を

太陽は傾いた
動かない骸から影が離れる
羽音が遠ざかって
夏の一日が終わろうとしていた