この空のどこか

果てなく高い空をよこぎる
ひとつの白い影
飛ぶ鳥を追っていると
まぶしさに眼を開けていられない
僕を地上に残して
何処までも昇っていく鳥よ
やがて空の雲の一片になって
融けて消えてしまうだろう

高い空の大気は冷たく羽を刺す
休むことなく羽ばたく翼は
いつか千切れて砕け散ってしまう
消えるために飛び続ける鳥

僕は此処にいて
お前のことを歌に歌おう
地上の人の全ての希望が
お前のその羽の上にある
だから飛んでいてくれ
消え去ったとしても
この空の

どこか

片すみで