答え

こどものころには全ての答えを知っていた

瞬く星を数えている間に眠ってしまうこと
目覚めれば東の窓のはるか遠くに陽が昇ること
冬に真っ白に彩られた樹の下でプレゼントを確かめあうこと
森の入り口まで競争して走っていくと脇腹が痛くなること
転んだときに差し伸べられた君の掌が暖かかったこと

こどものころの僕らは全ての秘密を知っていた
その世界の神秘を全部誰かに譲り渡して
僕らは大人になり
愛を知った
大人になった僕たちに愛の答えはでない
生きている限り問い続けてもわからない
こどものときと同じように君の手を握って温もりに浸るけれど
その先にある答えが見つからない

だから僕は君を抱きしめて
キスをして
愛の言葉を囁く
答えの無いままでいい二人で世界の果てまでいこう
こどものころ走った野原も森も通り過ぎその向こうへ
愛の答えを見つけられなくても
僕らはずっと二人で
いられる