人間


雲の切れ間の光挿す彼方に神はいるのだろう
地が割れ炎吹き出す下に煉獄はあるのだろう
人はその間にいる
私の傍にはお前がいる
お前の横に私が

人として生まれ
お前に出会えたこと
神の御技でも悪魔の呪いでもなく
一人では生きていけない人間が生き続けることの必然として
私たちは出会い愛しあった
人としている限り
人の形を失った後でも
私は忘れない
お前の愛 お前の掌 熱 滑らかな髪 瞳の傷痕 背中の骨の硬さ
お前も忘れないで
私が生まれた日と
愛しあったことを

神がいなくとも煉獄の炎は遠くとも
人は確かにいる
この熱は
永遠の