反復

お前が言いたいことは判っているとそう言うつもりだったのに何も言葉に出来ないまま唇を塞がれてしまっては伝えられなくて言葉でなくキスで教えてくれとでも言いたげなお前の眼を見つめているともう何もかもお互い判った気持ちになって眼を閉じると温かい舌先が歯列をなぞっていくのを感じながら瞼の裏に膜がかかって身体が寝台に沈んだことも気づかずただ貪るだけの時間が夜に更けていくことすらもう判らないけれどお前の気持ちが滑る指先から流れてくるのが幸福だと知っていることを伝えたいのに