雨の夜

目を閉じてお前の顔に触れるのが好きだ
夜更け 外の雨の音だけを聞きながら
私に覆いかぶさっているお前の頬を両手で包んでみる
そのままじっとお前の熱で指先が暖まっていくのを待つ
それからゆっくり
鼻梁へ瞼へ額と耳とそして
唇へ
指先が吐く息で湿る

お前が笑うと
薄い皮膚の下で筋肉が動く
少しざらついた顎の線をたどる
髪を指に絡めてみる

触れるのが好きだ
抱き合うのも
キスも
生きている暖かい体を
融かしあうことが

好き

だから
目を閉じていよう
このまま優しく
熱だけを感じて

眠りにつけるように