悲しいことなど 何もない この世界には
君を悲しませることは 何一つ 起こりようもない
僕が窓を閉じているんだ
外の風も聴こえないように
雨の一粒さえ君の頬を濡らさぬように
心配しないで僕は傷ついたりしないよ
ガラスを抑える手が腕が震えているけど
あまりに長い間立ち尽くして靴がすり減ってしまったけど
何処にもいかないで
君の声が聴こえなくてもいい
姿が見えなくても
笑顔を忘れてしまっていても此処にいるなら
嵐が来る
窓が割れそうだ
砕けて散り散りに乱れ飛んでしまう
どうかお願い このままでいて
君の金の色
全て忘れてしまっても残っていたもの
留めていて このまま
金から薔薇色に変わる空の色
夜の中にいる僕を置いて
飛び去って行く
白い鳥が 一箇の光をついばみ 夜の彼方へ