目が覚めましたか
ここは
教会です
どうして
あなたは生き残ったのです 毒の回りが遅かったのでしょう
彼女は
亡くなりました
では私も死ななければならない
その前に懺悔を
悔いています 今この瞬間に自分の身を切り刻みたいほど しかし懺悔はできません
それはなぜ
許されるべきではないからです
神はお許しになる
私の中にもう神はいません ですから私を救うこともできません 救われるべきでもない
わかりませんか 私は愛する者を殺した ただ愛していると言うだけで殺したのです 彼女も私を愛してくれていたのに それを知ったときには遅すぎた 私の罪は万死に値する
どうかお引き取りを 今から私はこの身を切り刻みます 目をくり抜き舌を抜き耳を切り落とし鼻を削ぎ 爪先から一寸ごとに切り落として 血と汚物の中で窒息して息絶える それが私にふさわしい最後です 地獄にさえ落とされる価値がない
分りました 私も立ち去ることにしましょう
あなたが神に仕える者ならば彼女のために祈ってください 彼女こそは神の御許に相応しい 強く美しくただ真っ直ぐに生きた 遍く照らす光のようだった 私があの光を失わせた 断ち切るべきでは なかったのに
私は神に仕える者ではありません
しかしあなたは
私は今際の際のあなたが見ている幻です
そうだったのか そうか これで全て終わる 後はきっと完全な虚無と暗闇だ
さてどうでしょうね ではさようなら
さようなら さようなら 愛しい人よ
暗い冷たい光がない 失ってしまった 寒い冷たい
いや
光がある
“アンドレ”
小さなかすかな
“アンドレ”
愛しい光
青い光
どうか 消えないで
“愛している”
愛して いるよ