白い夜

ここにいて 見ていて 私に触れて

雷鳴が雨をつれてくる
稲光が窓を染める
白く光った窓枠が 十字の影を床に投げかけて
お前の顔が一瞬見えなくなる

私を見ていて お前を見ていたい
触れたい 抱き合いたい
お前以外要らないから
なにも
だから私を見ていて
お前の見えない左目で

もう雷鳴は響かない
稲光は遠い
静かな夜に戻ったからもう
抱きしめて お前の鼓動を聞かせて
それだけが
私の求めるものだから