寂寞

会いたいと思う気持ちを
抑えきれず夜歩く
月も星もなく
石畳に響く足音だけを連れ歩く

会いたい
声が聞きたい

壁に響く足音が
想う気持ちを外へ出す

触れたい
抱きしめたい
いますぐに

君はこの暗い道の果て
朝まで歩き続けても
辿りつけない場所にいるのに

足をとめる
言葉はまた胸の奥に澱んでいく
だから

歩かなければ
胸に巣食う寂寥を
足音で紛らわせるため

君を想い夜歩く
足音だけは
眠る君に届くだろうか