夏の夜

どうやら俺たちに残った時間は短いらしい

困ったな

もっと ずっと続いていくものだと思っていた

森が焼け
国が滅んでも

変わらずそばにいて 続いていくものだと

出会った春の日が
愛に気づいた夏が
想いに押しつぶされた冷たい冬が

全部消えてしまう

抱き合った身体の重さを感じた
この午後も
全ては消えゆく

未来は取り戻せない
過去は還らない

ならばもう少しだけ
ふたりここにいても良いだろ
ワインを継ぎたして
眠らずに朝を迎えよう

もうすぐ

 

二度と目覚めない眠りが来るんだから