夏の雲

お前に出会う前の私はどんな人間だっただろう

素直だった?意地悪だった?泣き虫?怖がり?
夜は平気?雷も?強かった??

多分全部そうじゃなかった
ぼんやりした繭の中にいた
水の中で目をあけているみたいに

もう赤ん坊じゃなく大人でもなく子どもと言われるもので
どこかへ走っていきたくて
でもひとりで遠くへ行くのは寂しい
夏の雲をどこまでも追いかけていきたい
でも

誰かと競争して走ったらどんなに楽しいだろう
きっと私が勝つ
時々はその“誰か“も勝つかもしれない
そうしたらもっと もっと早く走って空を飛べるほどに

そんなふうに思ってた願ってもいた

お前と会ってお前といて
私は素直だったり意地悪したり夜の雷を怖がったりした

お前といたから
お前がいたから

私は私になったんだよ

 

知っていたかい?