アニメ20話より
後悔と告解の語感が似ているのは多分偶然なのですが。
原作のオスカルとマリーは死に際しても戦いました。死ぬ時でさえ、前のめり。対して旧アニは、静かに死を受け入れています。生涯かけて戦ってきたのだから、死の瞬間でも戦う原作。
しかし旧アニのオスカルさよなら、で逝きます。マリーの最後の言葉は描かれていませんが、伏せた瞳が物語っています。彼女達は過酷な人生に抗い戦い続けた、その強さ。しかしだからこそ死の瞬間、何者にも侵されないほど静かに美しくいてほしいんです。
彼女達は山ほどの後悔も苦しさもあったはず。ああすれば良かった、もしかしたら愛する人を失わずにすんだ。どうすれば良かったのか。旧アニでオスカルはアンドレを失ってから、身を裂くほどの後悔におそわれます。愛していることに気づいていれば良かったのに!誰しも全て人生に満足して死ぬことはありません。どんなに素晴らしい人でも、あの時ああしていれば、という後悔は必ずあります。
アンドレを愛していることに気づかなかった己を責めたオスカルが立ち上がれたのは、自分の責務を思い出したからでした。一度はもう戦えないと挫けたオスカルが、アンドレの幻影を見て立ち上がる。その戦いの最中に空に白い鳥が飛んでいるのを見る。オスカルには、それがアンドレの魂に見えました。
死の間際路地の上の小さい空の上で、白い鳥が飛んでいた時、オスカルは自分を許し許されたのだと思います。私はこの生涯で、たくさんの過ちを犯した。愛する人も失った。しかし、すべてにおいて逃げずに戦った。だからオスカルは静かに逝くことができたんです。それこそがオスカルが生涯戦ってきたことの証左だと思います。
自分を許して逝ける。それがオスカルという人です。
記憶と熱が冷めない間に鑑賞記を書いておきます。ただ寝不足の上にガンダムGQuuuuuuXとハシゴしたのとw後述する要因で記憶曖昧なところもあります。かなりネタバレも含むので、バレ回避したい方は閉じてください。
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⭐️オスカルとアンドレの物語 「七月」 31篇 298頁
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タイトルの「七月」「手紙」
私は二次小説を書きはじめてからずっと、あの熱い夏の彼らに手紙を書いているような気持ちでした。宛先のない、決して届くことのない手紙。これからも書いていきたいと思っています。
最初で最後のセレクト短篇集。どうぞよろしくお願いします。